キッチンからお送りします。

キッチンにて、思った事やった事、書き連ねています。

いざ出産。「母乳?」に追い詰められる。

出産は、予定日を1週間弱遅れてやってきました。40時間のロング出産でした。息子が生まれた瞬間は、彼には申し訳ないけど、妊娠からロング出産までを終えた達成感で涙しました。もちろん、いろんな処置を終え、落ち着いた頃に、じわじわと息子への愛おしさも湧いてきましたが、いかんせん、フラフラだったので、許してね、息子さん。


出産後、衝撃を受けたのですが、助産師さんや周りの入院しているお母さん方が、すっごい「母乳、母乳」と言っている事でした。今考えれば、当たり前の事だとは思います。赤ちゃんにとっての生命線。でも、その時の私は、そんなにひっきりなしに授乳時間がやってきて、母乳を出す事に一生懸命にならないといけないのか!と衝撃でした。

もちろん、3時間毎の授乳とか、最初から出るわけじゃない、とか予備知識はありました。服用していた薬の件があったから、何回も、何時に薬を飲んだら何時に母乳を飲ませて…みたいなシミュレーションもしていました。けど、リアルは違った。何というか、あの助産師さんのパワーと、それに付いていけるお母さん方。中には、助産師さんが「ゆっくりでいいよ」と言っているのに、「いや、もっと出るようにマッサージしてください!」と怒り気味に、痛ーい母乳マッサージを懇願するお母さんもいました。そんな姿を見て、私は、す、すげぇ…、と、気後れしてしまったのです。

一方、私の母乳は、雀の涙ほどしか出ませんでした。退院してからも、それは変わる事なく、マッサージやハーブティー、添い乳など、色々やってみました。けれど、一向に増える様子もなく、精神的にも、体力的にも、どんどん苦しくなっていきました。もっと入院中に会ったお母さんみたいに、助産師さんに食らいつくべきだった、とか、薬を飲んでいたからかな?とか、私が頑張ってないからなのかな?とか、息子への愛情が足りないからかな、などと自分を責めるようになりました。

そして、追い打ちをかけるように、周りのおばちゃん、おばあちゃん達が、「母乳なの?母乳なの?」と聞いてきました。これで、私はかなり追い詰められました。

実母や義母など家族に言われるのは、まだいいんです。孫の体の事ですから、いろいろ聞いてくれても納得できます。

でも、近所のほとんどお話ししないおばあちゃんやら、スーパーとか病院の待合とかで会った初対面のおばちゃんまでもが、「可愛いわね、母乳なの?」と二言目に、母乳かどうかを聞いてくる事は、納得できませんでした。

捉える私側の精神状態の問題もありますが、母乳じゃないとダメ、と言われているように感じるのです。母乳じゃないとダメ=母乳が出ない母親ダメ、っていう事なのか、と感じてしまうんです。

更には、そういう話をしたいにしても、二言目は無いだろう、と脱線気味な事まで思ってしまいます。だって、例えば、飼ってるペットに「可愛いですね。ペットフードはドライですか?ウェットですか?」とか、ご本人に「お元気そうですね?主食は何ですか?」とか聞きますか?初対面でですよ。普通、もうちょっと話しますよね?「お元気そうですね。お散歩ですか?へぇ、毎日ですか?健康に気をつかっていらっしゃるんですね。食生活なども気をつけていらっしゃるんですか?」っていうくだりが必要でしょうよ!何でいきなり、私と息子のプライベートな話をしなきゃならんのよ⁉︎と、本当によく思っていました。
あまりに頻繁に見知らぬ人に「母乳?」と聞かれていたので…。
けど、二言目じゃなく、いろんなくだりがあったら、母乳じゃないダメ=出ないダメ母、には直結しないんだけどなぁ。

まぁ、きっと、母乳が出ない事で、イライラしていたんだと思います。母乳が出ていたら、ここまで心の中でツッコミを入れる事もなかったかも知れません。

そんなこんなで3ヶ月目くらいまで、出ない母乳を飲ませつつ、ミルクで育てていましたが、さすがにしんどくなってきて、もう諦めて良いか、主人に相談しました。主人は、母乳にしろ、と言った事はありません。私が1人で、ミルクでお金がかかるのは申し訳ない、と思っていたから、何とか出そうとしていただけです。

主人は、あっさり、ミルクにすればいいじゃん、と言ってくれました。子供の健康に変わりがないなら、お金がかかっても、自分がストレスの感じない方を選びなよ、と言ってくれました(ちなみに我が家は家計に余裕があるわけじゃありません)。そして、初対面母乳?おばちゃん達の話も大爆笑しながら、女の人って、そんな事聞かれんの?大変だねぇ。と同感してくれました。これは、本当に救われました。


母乳が素晴らしいものである事は分かっています。ミルクに変えられない成分ではある事も分かります。母乳で育てられるならその方がいいのだと思います。今のところ(環境ホルモンの影響などは、まだ分かりませんので…)。きっと、もっともっと、大変な思いをしながら母乳を頑張っている人もいる。子供にとって、その方が良いと思う人もいる。私は甘いのかもしれない。

けれど、私は、母乳が出ない事で、ストレス溜めて、自分を責めて、息子と過ごす時間が辛くなってしまったら、本末転倒すぎる。それよりも、もっといっぱい笑って過ごしたい。過ごそう。と、主人と話して思いました。こうして、私は、ミルクで育てていく事にしました。



けど、もう1つだけ、私を悩ませる母乳についての事がまだあったのでしたが…それは、また次に。

さ、息子さんの誕生日プレゼント、買いに行く事にします!