キッチンからお送りします。

キッチンにて、思った事やった事、書き連ねています。

「バスト」から「母乳」へシフトチェンジ出来なかった私。

母乳については、妊娠中から産後まで、ずっと悩み続けてきました。服用していた薬についてと、出産してからは、出が悪い事。そして、まだもう1つ悩む事がありました。

それは、母乳を飲ませる事への違和感です。

違和感、というか、抵抗感、というか…。吸われている事が嫌という訳ではないのです。息子が自分の胸の中で、一生懸命母乳を飲もうとしている仕草は、この上なく愛おしく感じていました。が、何故か感じる違和感。1番感じる瞬間は、胸を出す時と、胸をしまう時でした。何だか心がざわざわするような、フワフワするような、嫌、とは違うんだけど、落ち着かない感じです。

入院中は、人前で胸をさらけ出すことへの羞恥心なのかと思っていました。
銭湯に行っても、下着を脱ぐ瞬間って、若干、心の片隅に恥ずかしさはありますよね。けど、脱いじゃえば大丈夫、みんな裸だし、誰も見ちゃいないよ、ってすぐ平気になりますよね。それと同類だと思っていました。

でも、時間が経っても、母乳を飲ませることへの違和感は消えない。入院中も、家に1人であろうと、実家であろうと、どこでも、どんな状況でも消えない。

母乳をあげていた時期は、出ないからなのかな、と思っていました。確かに、最初からすごく出が良ければ、違和感など感じなかったかもしれません。

出ない分、頑張って飲ませなきゃいけない。それで余計と吸わせている時間が苦痛に感じてしまい、違和感が大きくなったのかもしれません。

この頃は、母乳が出ないという事と、この違和感を感じる事で、私は母性が低いのではないか、などと思っていました。

ミルクで育児をするようになって、母乳が出ない不安やプレッシャーからは解放されたのですが、違和感を感じていた自分はおかしいのかな?という疑問だけが残り、調べたり、考えたりしてみました。


こういう違和感を持つ方は、ごく少数のようでした。周りの友達や家族の中には皆無で、私が、母乳を飲ませる時ちょっと違和感を感じる、と言うと、きょとん?とされました。
ネットなどを探しても、投稿サイトなどにわずかに母乳に対して抵抗感のある方の悩みは見られました。元々子供が苦手だったり、不摂生故自分の体がきれいだとは思えなかったり。でも、私は、元々子供好きですし、息子も大好きです。服薬してきたものの断薬の後は飲ませたい、と思っていたし、どの方の悩みもしっくり来ずでした。

いろいろ考えた結果、私が思うに、私はどうやら、自分の胸が、妊娠するまでは「バスト」だったのに、出産した途端「母乳」「お乳」に変わる、この変化に付いていけなかったのだと思います。


出産するまで、私の胸は、「バスト」でした。どうすればキレイなバストを保てるかとか、バストアップするストレッチとか、キレイに魅せる方法とかが巷には溢れていて、下着を買いに行けば私だって例外なく、こっちは形が良いだの、あっちは可愛いだの言ってます。けれど、産後、バストは急に「母乳」や「お乳」に変わるのです。私の胸について、バストを綺麗に魅せるだのなんだのだった情報が、急に母乳が良く出るマッサージや食べ物などの情報に変わるわけです。

女でありたい、ということではありません。むしろ、今の私は女らしさゼロで髪の毛振り乱して息子を追いかけています。ただ、大人には、食器に盛られたご飯が並び、赤ちゃんには私の胸、っていうのが、何だか1番馴染めないなかったのです。「お腹すいたね〜、はい、どうぞ」と自分の胸を息子に差し出す事に対して、あれ?これこの子の「ご飯」だよね?ってことは、私の胸=息子のご飯…?ってなってしまったんです。

頭では母乳の素晴らしさは分かっているし、そうやって自分の胸を差し出せるのは、愛ゆえだと思います。母乳で育てている方は、色んな苦痛に耐え、栄養を持ってかれてフラフラになりながら頑張っていらっしゃって、すごいな、と思っています。赤ちゃんにとっても、栄養、免疫いっぱいの母乳とお母さんの温もりの中で大きくなる事は、とってもいい事だと思います。でも、私の心は、「バスト」から「母乳」の変化に付いていけなかったのです。「ミルクは牛の乳、人には人の乳」っていう方が自然なのは分かっています。でも、それが出来なかったのです。大人は大人用の食事、赤ちゃんには赤ちゃん用の食事、でも、食事はまだできないから、哺乳瓶に入ったミルク。っていう方がしっくりいってしまったんです。


もしかすると、他にも理由はあるのかもしれません。小学生の頃、成長が、早かったので、胸にコンプレックスがありました。中学の頃は、胸をすれ違いざまに鷲掴みにされるという痴漢に遭いました。だから、無意識的に、胸を格納しておきたい本能がある、とかかも知れません。産後うつの影響かもしれないし、脳科学とかで母性が計れるとしたら、ひょっとするとその数値が低いのかも知れません。

深層心理の部分は、自分でも分かりません。ただ、子どもが生まれて、自分がそんな風に母乳が出なかったり、母乳への違和感を感じるなんて、思ってもいませんでした。母乳をあげよう、と、出産前は断薬までしたのに…。そんな自分に悲しくなったり、悔しくなったり、疑ったり…。

けれど、そんな私でも、息子は、自分には私しか居ない、と言わんばかりに私が抱っこしないと泣き止まない。そんな息子を見て、今は、そんな自分がどうだこうだ、と言っても仕方ない。息子のことは、可愛いし大好きな事には変わりない!母乳をあげられない分、いっぱいいっぱいハグしたり、抱っこしたり、遊んだりして、愛情を伝えよう、と切り替えられています。


出産って、こういう想定外の気持ちになったり、自分でもびっくりするくらい強くなったり、優しくなったり、図々しくなったり…本当に色んな自分を発見させららる出来事だな、と思います。



もう直ぐ、息子の1歳の誕生日。こんな私のところに生まれてきてくれてありがとう。生まれてきてくれて、あなたがいるだけで、すごく幸せです。あなたのお陰でいっぱい笑って、考えて、悩んで、また笑って…っていう楽しい時を過ごせています。1年間一生懸命大きくなってくれてありがとう。そう伝えたいと思います。

若干ダメ母なんだろうなぁ、と思いつつ、良いお母さん目指して、息子が楽しい幸せ!とたくさん思えるように、気持ちを新たに、日々精進していきたいと思います。